私がケトン食、低糖食の研究をするようになったのは、「マスコミの掲載など。」の掲載にもありますように、現在28歳(2021年現在)の次男の病気がきっかけでした。

 今から大学受験の追い込みという時期に微熱が何日も続き、やっと4つめの医療機関で「急性脳症」と診断され、命はなんとか助かりましたが、今もなお続いている後遺症が残りました。「てんかん」「高次脳機能障害」……。

 後遺症を持ちながらも、何とか通っていた大学1年生の頃、抗てんかん薬の副作用で怒りやすくなったり、ついにはバッグに余分に入っていた薬を全部ビールで飲み干し、自殺未遂に至りました。

 この薬を止めるためには、もう、ケトン食療法しか残されていませんでした。

 何だか、暗いドキュメンタリーのナレーションみたい(^0^;)になってしまいましたが……実際には、涙あり、笑いあり、怒りありの実に騒がしく慌ただしい2年間でした。

 とにかく、ケトン食療法を……セオリー通りに実践すると、こんなに大変なことはありません。

 しかし、私はすごく横着者で、何とか楽な方法はないかと日々考えていました。楽してたくさんケトンが出る方法はないものかと。

 ただ、これは結果オーライであり、すべての方に合うとは言い切れませんので、自己責任でお試し下さい。

 そもそも、王道のケトン食療法は、エクセルに数式を打ち込み、その表を使い、糖質+たんぱく質を1として、脂肪を3摂取するというものです。もちろん、人によってその比率は2:1であったり、4:1であったりします。通常は3:1であることが多いです。

 そもそも私は糖質と書きましたが、本来は炭水化物C(カーボ)という表現です。

 しかし、実際には、わかめなどの海藻類や繊維質が多い野菜などを炭水化物計算にしていると、何も食べる物はなくなってしまいます。

 食物繊維+糖質が炭水化物なのです。

 これにはもう一つ意味があって、繊維質が糖質の吸収を邪魔するので、たくさん低糖質野菜は摂取して下さいと低糖食を実践する方々にアドバイスさせていただいています。でも、それじゃあ、ケトン食で必要とされる脂肪分も繊維質に絡め取られてしまうのでは?という疑問点が出てくるかもしれません。

 そこでケトン食の必需品となるのが、MCTオイルなのです。このオイルは中鎖脂肪酸で、中鎖脂肪酸は、大部分が小腸絨毛の血管から吸収され、門脈を通じて肝臓へと運ばれ、すぐに エネルギー化されます。そして、この時に多くのケトン体が出るようです。

 

 では、本題に入り、MCTオイルの使い方をご紹介します。

 食事にかけるだけ! またはドレッシングを作ってサラダなどにかけます。

 これによって、普通のオイルとどれだけのケトン値の差が出るのかは、人によって違いますが、うちの次男の場合、ケトスティックスというリトマス紙のような試験紙を尿に浸して、気になる都度、測っていました。

 その結果、ケトン比1:1くらいの食事でも、試験紙においては、+3は確実に出ていました。これだけ出ていれば、病院で血液からケトン体を計測した際には5000〜7000くらいになりました。

ケトスティックスは、あまり市販されていませんので(Amazonなどでも販売されていない)、私は病院からの薬を出してもらう薬局に取り寄せを依頼していました。

 今は、ケトンメーター測定器という息から測定できるものが販売されています。ああ、10年は大きいなとため息が出ます。

 MCTオイルで気をつけることは、調子に乗って使い過ぎると、下痢をします。それと、けっして加熱しないことです。

 

 MCTオイルの価格は近年ずいぶんリーズナブルになりましたが。私が次男のために購入を始めた頃、アメリカのNOW社のものが1本(955ml)が¥5,000くらいしました。それでも、日清などの国産よりも割安だったのです。今は国産のものもずいぶん安くなったようです。

 ちなみにNOW社のものは、現在Amazonで1本¥2,500くらいで購入できるようになりました。国産のMCTパウダー、また携帯できる分包もいくつかのメーカーが出していて、ランチバッグの中が油まみれ(^0^;)になることもありません。

  私が次男に作った簡単ケトン食は、普通の低糖食にMCTオイルをかけたもの!です。

 そういうことで、10年前に次男のために作った食事の写真を掲載させていただきます。現在も低糖食として、皆様に紹介させていただいています。

 毎日、化学の実験をしているようで、結構楽しかったです。どんなことでもそうですが、何か自分流というものを見つけると、今までしんどかったことが、逆に楽しめるようにもなります。

 下の写真に関してご質問があれば、いつでもnekomati@iris.eonet.ne.jpまでメールを下さい。


写真の麺類は、こんにゃく麺などの超低糖か糖質ゼロのもの、パンは自家製の低糖パン、ご飯も自家製低糖ご飯です。

乳幼児のケトン食というナビゲーションがありますので、そちらも参考にしてください。

うちの次男はケトン食療法を2年続けた後、今も低糖食で生活しています。今は飲食店で、普通に低糖食が食べられますし、旅行でホテルや旅館に泊まっても、その旨伝えると、ちゃんと低糖仕様にしてくれます。いい時代になりました。ケトン食療法の2年は長いようで、意外とあっと言う間です。どれだけ効果があるのかは、人によって違うでしょうが、私にとってのケトン食作りは、有意義なものであったと確信しています。